群発頭痛の症状と原因~最強級の痛み

人類で最も痛い頭痛が群発頭痛です。

文字通り「死ぬほど」痛く、一度激痛が走ると涎を流し、床をゴロゴロと転げまわりながら痛みが引くのを待つしかありません。

「殺していくれ!」と訴える患者も多く、激痛のあまりマンションの最上階から飛び降りた事例が実際にあります。

もともとは頭痛が群発することからこの名前がつけられましたが、現在では群発することより、特異な頭痛の性状と随伴症状がこの疾患の特徴的な概念として扱われています。

群発頭痛は、目の奥や目の周囲、前頭部、側頭部にきわめて激しい頭痛がおこり、1回15分から3時間くらい続きます。

頻度は2日に1回から1日に8回程度ですが、痛みとともに涙や、鼻水がでたり、鼻がつまったり、あるいはまぶたが腫れたり、といった自律神経の症状が出てくることがあります。

また早朝や明け方など、決まった時間におこることが多いのも特徴です。

片頭痛は、頭の両側が痛むことも珍しくありませんが、群発頭痛で痛くなるのは必ず頭のどちらか片側だけです。

痛みが激烈なために発作中は横になっても耐えられず、いてもたってもいられなくなり、頭を壁にぶつけてみたり、じっとしていられずに動きまわったりすることもあります。

まさに七転八倒の状態で、頭痛のなかでも最も悲惨な頭痛です。

さらに症状が落ち着く時期(寛解期)がなく、頭痛が1年以上続く「慢性群発頭痛」もあります。

あまりにも激しい痛みが集中的に続くために、日常生活や日々の仕事に多大な支障をきたし、群発頭痛が原因で職を失ってしまわれる方もいるほどです。

片頭痛や緊張型頭痛と比較すると、患者数は少ない病気ですが、決してまれというわけではありません。主に20歳代以降の働き盛りの男性に多くみられる頭痛ですが、最近では女性に発生するケースも増えています。

男性の発症年齢のピークは30歳代です.

女性の場合は、20歳代と60歳代のふたつのピークがあるのが特徴です。

頭痛発作の頻度には男女差はありません。

ただ、持続時間は女性のほうが短く、発作時の自律神経症状が男性より目立たない傾向があります。

ある調査では、涙や鼻水が出る、鼻粘膜の充血頻度は男性と変わりませんが、縮瞳、眼瞼下垂は女性には少ないという報告があります。

また、女性は群発頭痛発作時に片頭痛のような症状になることが多く、悪心や嘔吐が多くみられます。

群発頭痛が、なぜ男性に多く発症するのか、明らかになっていません。

性ホルモンの関与や、男性の生活行動における特性、たとえば、男性のほうが頭部の外傷を受ける機会が多いとか、職業上のストレスにさらされることが多い、多量の喫煙や飲酒の習慣をもつ人が多いことなどが影響しているといわれてきました。

女性の社会進出が増えてきた1960~1070年代以降に女性の群発頭痛が増えています。

これは、社会や職場における女性の役割の変化が、女性の群発頭痛の増加に関与しているのかもしれません。

誰にでも起こりうる「群発頭痛の原因」とは?

群発頭痛は誰にでも突然襲ってくる可能性があります。

群発頭痛の痛みは、目の後ろを走っている内頚動脈という太い血管と、その横を走る三叉神経、頚部交感神経の機能の異常が関係していると考えられています。

視床下部は、自律神経の調節を行っていますが、何らかの原因で、視床下部に乱れが生じると、間違った情報が三叉神経や自律神経系に伝えられて活性化し、
激しい痛みとともに目の充血や流涙などの自律神経症状を生じるのだろうと考えられています。

最近は群発頭痛を含めて「三叉神経・自律神経性頭痛」という言葉が使われるようになってきています。

頭痛発作は、いったんおこり始めると1ヵ月も2ヵ月も毎日続きます。

これを群発期といい、その期間が過ぎるとケロッと治っそしまう寛解期を迎えます。

多くは、半年から1年、あるいは数年後に、同じようなサイクルを繰り返すのが特徴です。

このように、なぜ群発期と寛解期があるのか、なぜ1日のうち決まった時間帯に発作がおきやすいのかはよくわかっていません。

一説には、視床下部の視索上核にある体内時計システムの異常が原因ではないかともいわれています。

また、群発頭痛の患者さんは、ライオン顔(獅子顔)の人が多いという話も聞きますが、私の経験では当てはまらない患者さんもたくさんおられます。

ライオンのような顔つきにみえるというのには、男性ホルモンとの関連が推測されていますが、本当のところはよくわかりません。

群発頭痛は、アルコールやニトログリセリン、亜硝酸製剤などによって誘発されることもあります。

お酒が好きな群発頭痛の患者さんは、ビールをコップに1杯飲んだだけで、数時間以内に発作がおこることを経験で知っています。

群発期が終われば、お酒を飲んでもかまわないので、群発期が終わったかどうかを、飲酒試験と称して確かめる人もいるくらいです。

群発頭痛の誘発はお酒の種類(ビール、日本酒、焼酎、ウイスキー、ワインなど)にはあまり関係ないようです。

ニトログリセリン、亜硝酸製剤は一酸化窒素を放出して心臓の冠動脈を拡張させる狭心症の治療薬です。

この一酸化窒素が、群発頭痛を誘発すると考えられていますが、すべての血管拡張薬が、群発頭痛を誘発するわけではありません。

群発頭痛の治療薬~それでも治るとは限らない

群発頭痛の発作時には、スマトリプタン(イミグラン)皮下注射、スマトリプタン(イミグラン)の点鼻液、純酸素吸入を行います。

頭痛発作が1時間以内の場合は内服するタイプのトリプタンはあまり効果がありません。

2時間以上の場合には、内服するタイプのトリプタンでも一定の効果が期待できるでしょう。

群発期の予防療法としては、ワソランが国際的な標準薬です。

デパケンを用いることもあります。慢性群発頭痛には、リチウムを使います。

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