片頭痛の万能薬「トリプタン」って何?

セロトニン(5-HT)の受容体には様々なものがあり、今日では15種類も確認されている。

トリプタン系薬剤は、5-HT18受容体と5-HT10受容体に特異的に結合する物質で、その代表はスマトリプタン(イミグラン)である。

この薬剤が片頭痛に非常に有効であることが示されてから、片頭痛の治療が飛躍的に進歩した。

片頭痛とセロトニンの綿密過ぎる関係

1959年にSicuteriらが、片頭痛患者の尿中でセロトニンの代謝産物である5-HIAAを測定し、そのレベルが健常人に比して高いことを発見して以来、片頭痛とセロトニンの関係が注目されてきた。

片頭痛患者の血小板中のセロトニン量の測定が行われ、頭痛発作期に約40%減少していることが示された。

また、片頭痛患者に血小板からセロトニンを遊離する作用を有するレセルピン(アポプロン)を投与した後に片頭痛類似の頭痛が生じ、セロトニンを静注することによりこの頭痛が軽快することが示された。

しかし、セロトニンそのものは全身血管に作用するため様々な副作用を呈し、実用にはならなかった。

最強種のスマトリプタンがこの世に降臨

その後、脳血管に選択的に作用するセロトニン作動薬の開発が行われ、5-HT18尚の作動薬であるスマトリプタンが開発された。

、スマトリプタンはセロトニンと同じインドール核を持ち、構造が似ている。スマトリプタンは頭痛期の片頭痛患者の50~70%に有効であることが多くの調査で明らかになり、片頭痛の治療に大きな変革を起こした。

スマトリプタンは頭蓋内血管の平滑筋に存在する5-HT18受容体に作用し血管を収縮させる作用があること、および血管周囲の三叉神経に存在する5-HT19受容体に結合し、様々なニューロペプチドの放出を抑制することが示されている。

また、スマトリプタンは三叉神経細胞に存在する5-HTlr受容体にも作用し、片頭痛発作を抑制している可能性が考えられている。

スマトリプタンの成功以来、スマトリプタンの弱点を改良した様々なトリプタン系薬剤が開発されてきた。

1997年から1998年にかけてゾルミトリプタン(ゾーミッグ)、ナラトリプタン、リザトリプタン(マクサルト)などが各国で承認され、その後もアルモトリプタン、エレトリプタン(レルパックス)、フロバトリプタンなどが開発されてきた。

これら第二世代のトリプタン系薬剤はスマトリプタンに比して、bioavailabilityが高く(45~75%)、血中濃度が治療域に達する時間が短く(30~60分)、血中半減期が長く、脂溶性が高いため、血液脳関門を通過して中枢神経内に作用させることができる。

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