病院で処方される頭痛薬はたったの3種類だけ!
頭痛が起こるたびに生活に支障をきたしている場合は、早めに神経内科または脳神経外科
あるいは内科でも頭痛の治療に詳しい医師の診察を受け、正しい治療法を指導してもらうことが大切です。
片頭痛の発作時の頓服薬として医師が一般的に処方する薬は
1 トリプタン
2 鎮痛薬
3 吐き気止め
の三種類です。
一発で治す!!セロトニン作動薬
片頭痛の発症に関係するセロトニンに作用して片頭痛を鎮める薬です。
エルゴタミン製剤(商品名=カフェルゴット、クリアミンA、クリアミンS、ヘクトM)が主流でしたが、最近はもっとよく効き副作用の少ないトリプタンが開発されています。
スマトリプタン(商品名=イミグラン)、
ソルミトリプタン(商品名=ソーミッグ)、エレトリプタン(商品名=レルパックス)があります。
痛み出したら鎮痛薬を使う
非ステロイド系消炎鎮痛薬(=NSAIDs。アスピリン、メフェナム酸など)
ピリン系鎮痛薬(イソプロピルアンチピリンなど)
非ピリン系鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)
などがあります。
吐き気止めを使うとラクになることも
鎮痛薬と吐きけ止めを併用すると、薬の吸収を高め鎮痛薬の効果が強くなります。
また片頭痛に伴う吐きけをとめる効果もあります。ナウゼリンやプリンペランがあります。
トリプタンは発作の途中からでも効き、副作用も少ない。
これまで片頭痛の痛みを頓服的に鎮めるには、エルゴタミン配合薬か鎮痛薬、消炎鎮痛薬が処方されてきましたが、
これらの薬はおう吐があると効果が上がらず、必ずしも満足する効果が得られませんでした。
2000年から使えるようになった皮下注射薬のスマトリプタン(イミグラン)は、セロトニンの二つの受容体に選択的に作動することで、頭部の血管を収縮させるとともに炎症を抑える作用もあります。
片頭痛発作の最盛期にもよぐ効き、吐きけやおう吐を鎮めるのにも有効です。
さらに現在では、同じの仲間のトリプタンの経目薬が三種類出そろっています(イミグラン錠50、ソーミッグ錠、レルバックス錠)。
二〇〇二年には口腔内速溶錠のゾーミッグ錠RMも加わりました。これは水なしで溶けるので「いつでも、どこでも」服用できます。
たとえば、会議中や外出時で水が使えないときなどにも服用できるので、医師に相談して処方してもらうとよいでしょう。
二○○三年には、点鼻薬の販売も予{疋されており、片頭痛の治療環境は急速に整いつつあります。
薬の効果がもっとも現れるのは皮下注射で約一〇分、経目薬は三〇分ほどかかります。点鼻薬は一五分程度で効いてくるといわれています。
薬が効きにくい人もいますが、たいていの場合は痛みがしのぎやすくなります。
痛みがぶり返した場合は、注射薬の場合、一日二回まで使用できます。
経目薬の場合は、イミグラン、ソーミッグは一日四錠まで、レルバックスは一日二錠まで使えます。
二時間空けて使ってください。
片頭痛は一回発作が起こると、しばらくは発作が起こらないのがふつうです。
これらの薬を利用することで、なんとかしのげることが多くなります。
適切な使い方をすれば、頭痛が起こりやすくなったり、薬への依存性が高まるといったことは、まずないといってよいでしょう。
最強であるはずのトリプタンは使えない場合もある
トリプタンは、だれにでも使えるというわけにはいきません。
ある種の薬を使用しているときは使えないことがあります。
とくに血管を収縮させる作用があるので、虚血性の心臓病やコントロールされていない高血圧がある場合には使えません。
高脂血症などがある場合も注意が必要です。
心電図の検査で異常がない場合に使います。
スマトリプタンの注射は片頭痛のほか群発頭痛にも効果がありますが、残念ながら現状では、すべての医療機関でこの薬を備えているとはいえません。
スマトリプタンを常備している医師を紹介してもらわないと注射を受けられない場合もあります。
注射後の胸の圧迫感は一過性
スマトリプタンを注射すると、その部分に一過性の痛みやほてり、重い感じ、圧迫感などを感じることがあります。
また、注射の直後に、胸や首の後ろ、からだ全体が締めつけられるような感じになる人がいますが、これはだいたい五~一〇分程度でなくなります。
ごくまれに、めまい、脱力感、疲労感、徐脈、頻脈、動悸、一過性の血圧上昇、不整脈などが起こることがあります。
しかし、これらは医師との連絡を緊密にしておけば、大事に至ることはありません。
海外では自己注射が認められているほどです。
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