トリプタンは剤形別の使い分け方!注射・点鼻注射・錠剤…ext
現在、日本では
が使用可能で、ガイドラインなどにおいても高く評価されています。
近い将来、ゾルミトリプタンの点鼻も使用可能となる見込みです。
注射・点鼻注射の使い方
点鼻の非経口剤のメリットは悪心・嘔吐が強い時にも投与できること、経ロルートに比較して即効性が期待しうる点などがあります。
ただし、本邦ではスマトリプタン注射剤の患者による自己注射は認められておらず、医療機関で使用する必要があり、事実上の適用はかなり限定的です。
すなわち、入院している患者の頭痛発作、医療機関の近隣に居住または勤務している頭痛患者などが恩恵を受けているほかは、激しい片頭痛発作で病院に搬送されてきたり、駆け込んできたりするような場合に限られます。
点鼻剤は自己使用可能であり、即効性もあるので本邦では注射剤に変わりうる可能性があり期待が持たれています。
スマトリプタン点鼻剤はかなり強い苦味が有害事象として知られているが、点鼻する時に頭部の角度を調整して、鼻腔からの液だれを防ぎ、かつ咽頭から口腔への流入も最小限にする工夫などがなされています。
経口錠の使い方
経口錠では、通常の、水などで服用する剤型と、水なしでも服用可能な口腔内速溶錠や口腔内崩壊錠も選択可能です。
口腔内速溶錠の薬剤動態をみると必ずしも水で内服した場合よりも血中濃度の上昇が早いというわけではないが、水なしで必要時にすぐに服用できるということで早く使用することができ、早く効果が得られると期待されています。
会議中や授業中に片頭痛が始まり我慢しているうちにひどくなってしまうような患者では、水なしで服用可能な薬剤を携行させておけば早く使用できて仕事や学業への支障を減らすことに貢献できます。
また、水が飲める状況であれば、口腔内速溶錠であっても水で服用しても差し支えありません。
群発頭痛の治療薬としてスマトリプタンの注射剤は片頭痛のほか、群発頭痛の治療薬としても1日2回まで投与が認められています。
スマトリプタンの点鼻剤は群発頭痛には認可されていないが、有効性を示すエビデンスが増えつつあり、群発頭痛患者の治療の必要上、早期の認可が望まれます。
群発頭痛は各々の頭痛発作時間が片頭痛に比べ通常短いこともあり、スマトリプタン経口錠の有効性は必ずしも証明されていません。
ゾルミトリプタン経口錠は群発頭痛に有効との報告があります。
また、群発頭痛では、群発期に限りトリプタンを予防的に使用するような試みの報告もあります。
現時点ではまだ、十分なコンセンサスがあるとは言えないが、群発頭痛の痛みは激烈であり、効果的な治療プロトコールの早急な開発が望まれます。
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