鎮痛剤飲んでも頭痛が治らないんだけど…なんで?
いわゆる頭痛のために、楽しかるべき毎日を憂うつに暮らさなければならない人が少なくありません。
いまわしい頭痛さえなければ、明るい顔つきで、陽気におしゃべりをし、朗らかな毎日を過ごすことができるのに、どうして私たちには頭痛などが起きるのでしょうか。
「私の頭痛は母親ゆずりなので、ちょっとやそっとのことでなおるとは思いませんが、こうも毎日頭が痛いと、仕事も何もできません。
そのために、勝手に飲んではいけないといわれましたが鎮痛剤を飲まずにはいられないのです。
鎮痛剤を飲むと、いっときは楽になり、頭痛から解放されますから……」
こんな具合に、頭が痛ければ鎮痛剤を飲めばよいと考えている人が割に多いのではないでしょうか。
なかには、頭痛なんてカゼをひいたときにあるだけだから、アスピリンさえのめば大丈夫だという人もおられるでしょう。
しかしまた、鎮痛剤の効き目がある間は痛みから解放されるけれど、数時間して効果が切れるとまた痛みがぶりかえし、かなり頻繁にのまなければならないとか、今までと同じ量の鎮痛剤ではもう効かなくなってしまったので、量をふやさなければならなくなってきたという人もいるのではないでしょうか。
鎮痛剤に期待してはいけない
このように、″頭痛に対して鎮痛剤″というのは、そのまま続けていてもよいものでしょうか。
いつでもこれでよいのか、あるいは、これだけではよくないのか、考えてみる必要があります。
実はこの″頭痛に対して鎮痛剤″というのは頭痛に対しての対症療法なのです。
ご承知のように、対症療法というのは、症状に対する治療法であって、原因療法ではありません。
頭痛に限らず、どんな病気でも原因に対する治療が根本であり、その上に対症療法が行なわれるのがよいのです。
ですから、頭痛の原因がわかり、原因療法の基本方針がきまった上で、とりあえず鎮痛剤で痛みを除きましょうというのなら、鎮痛剤の使用も結構なことです。
しかし、一度も医師の診断をうけたことがなく、頭痛の原因もわからないまま、むやみに鎮痛剤をのんでいるのは、後でとりかえしのつかないことになることもあります。
たとえば、脳腫瘍で頭痛があるときに、鎮痛剤で一時的に痛みをとっても腫瘍は小さくならず、やがて腫瘍が大きくなって脳圧が充進し、意識障害となる危険もあるのです。
もちろんこんなことは極端な例であって、そうめったにあるものではありません。
しかし、頭痛がしつこく続く場合には、一度専門医に相談する必要があります。
やっぱり鎮痛剤はその場しのぎの対処法でしかない
診断がきまり、原因に対する基本方針がきまった上で、鎮痛剤を上手に使うこと、すなわち対症療法を適切に併用することは大切なことです。
そういう意味では、鎮痛剤の使い方も十分吟味検討されなければなりません。
「数年前から頭痛があり、そのつど鎮痛剤をのんで何とかしのいできましたが、あまり鎮痛剤をのむのはよくないといわれますし、また最近はピリソに発ガソ性があるので、ある種の鎮痛剤が発売禁止になったということを聞きました。
それで心配になり、診察していただきたいと思ってうかがったのですが……」
という人も最近はいます。
頭痛をなおすためには、なぜ頭が痛むのか、その頭痛の機序を明らかにし、頭痛の背景にどんな病気があるのかを知ることが大切であり、原因に対する基本方針をたてることが最も重要なことです。
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