緊張型頭痛の治療はこうやる!超簡単!薬が効かない時におすすめ
一番即効性のある緊張型頭痛の治療は「体操」です。
慢性頭痛の代表である緊張型頭痛は、毎日毎日の生活の疲れの積み重ねによって生ずるものといえます。
体質と性格がその基礎にあるといいますが、これは刺激に対する反応性というか、敏感度のことと考えてもよいでしょう。
ちょっとした刺激にもいちいち反応していると、それだけ疲れやすいというわけです。
過労状態のときには普段よりもいらいらし、ちょっとした刺激にも反応しやすくなり、ますます疲れてしまうということになります。
こういう状態の治療は、要するに緊張型頭痛の発生に関する因子のすべてに対して治療方針を考えてみるのがよいと思われます。
緊張型頭痛は、性格と体質という素因に対して各種のストレスが作用し、筋肉が異常な持続収縮状態を呈して起こるものです。
筋肉の持続収縮状態に対する治療
緊張型頭痛は、文字通り筋肉の異常な持続収縮により起こるものです。
異常な持続収縮は、異常な筋緊張ということもできます。
ですから具体的な治療方針としては、筋肉の異常緊張をゆるめればよいのです。
ところが、無意識のうちに筋肉に力がはいっていることが、毎日の生活には非常に多いのです。
ただ坐っているだけでも、背筋はまっすぐに伸びていなければならず、同じ姿勢を長く続けていると背筋を中心に持続収縮状態ということになります、特に悪い姿勢は、首すじや肩、背中の筋肉にかなりの負担をかけていますから、よい姿勢をとることが大切です。
猫背になって、両肩が持ち上がっているような姿勢をしている人は、緊張型頭痛の候補者です。
また、たとえば床屋で散髪をしてもらっているとき、体に力を入れている必要は全くないのに、気がついてみるとしっかり力を入れていることに気がつくことがあります。
またテレビを見ているとき、野球や相撲、プロレスなど勝負事の場合には体に力がはいって、のり出して見るというように、体が動き出すことさえあります。
さらにまた、ふとんにはいって横になっているときでも、肩に力がはいったり、胸の上にのせた腕に力がはいっていることもあります。
このように、私たちは無意識に体に力を入れていることが多いのですが、日常生活では適当に力を抜いて、自然に回復しているのでしょう。
しかしこの脱力が十分にいかないと、筋緊張がだんだん積み重たって異常になっていくのです。
とにかく体の力を抜くことが、うまくしかも十分にできるようになれば、緊張型頭痛の予防・治療はできるのです。
あなたは体の力を抜けといわれたら、すぐにできますか
そのままで力を抜くことはそう簡単ではありません。
力を抜く要領は、いったん体に力を入れてから、全体の力を抜くことです。
そうすれば力が抜けるのがはっきりわかります。
力を入れるのに、体を動かさないで力を入れる場合と体や手足を動かす場合とがあります。
前者は「アイソメトリックーエクササイズ」といわれ、後者は普通にいう運動で
す。
特に治療のために行なうのには、運動とか体操とかいっても、スポーツ選手がやるような激しい運動は必要がなく、軽い柔軟体操でよいのです。
緊張型頭痛の治療方針について、重要なポイント
1、姿勢をよくすること
2、柔軟体操を実行すること
3、夜の睡眠を十分にとること
4、取り越し苦労をしないこと
このうち、姿勢をよくすることと柔軟体操を実行することは、自分の意志でできるはずです。
よく眠ることについては、睡眠時間を十分とるようなスケジュールを作ることは自分でできますが、寝つきが悪いのをよくするというのは、その場の心の持ち方だけではどうにもならないことが多いものです。
不眠症という病気がありますが、これは眠れない病気というのでなく、眠れないのを気にする病気だといわれます。
睡眠や食事に関しては、それぞれの習慣もあるでしょうが、規則正しくすることがまず第一です。
取り越し若労をしないようにするということも、意志だけではなかなかコントロールできないものです。
ですから、まず自分でできることから始めるとすれば、姿勢をよくすることと柔軟体操を実行することになります。
姿勢をよくしよう よい姿勢というのは
直立不動の姿勢”とか″気をつけの姿勢”とかいうのではありません。
また、姿勢をよくしようといいますと、仕事をするときにはよい姿勢なんかとっていられないという人もいます。
もちろん仕事をするときには、それぞれの仕事に適した姿勢というものがあるでしょうから、仕事の能率をあげるために一番都合のよい姿勢をとるのです。
しかし、ずうっと長時間一定の姿勢をとっているのは、たとえ仕事のためといってもよくありません。
特に筋肉の異常緊張を助長するような姿勢で長時間続けると疲労がひどくなります。
途中で適当な休養が必要であり、休養というのは体の余分な力を抜くことです。
普段の姿勢でも、首が前に出たり、肩をいからせたり、背中を丸くしたり、お尻を後ろに突き出したり、体の一部に余分な力がはいった姿勢はよくありません。
体の余分な力を抜くことがまず大切
これまで猫背だった人は、よい姿勢をとるために、積極的に背筋を伸ばさなければならないので、しばらくは意識的に胸をはるようにして力を入れてください。
つい自然にあごが前に出ていた人も、背筋を伸ばすだけで、あごの位置もよくなります。
とにかく自分の姿勢の悪さに気がついたら背筋を伸ばし、よい姿勢をとるように心がけてください。
全身の筋緊張のづフンスがとれ、体の一部に余分な力がはいらず、重心のかかる位置が適当なのがよい姿勢といってよいでしょう。
よい姿勢は他人が見ても美しく見えるもの
″よい姿勢は長く続けても疲れない″といわれます。
悪い姿勢にくらべれば疲労度が少ないことは確かです。
しかし、余分な力がはいらない自然の姿勢といっても、坐っていたり、立っているだけで、その姿勢を保つために筋肉は仕事をしているのです、すなわち筋肉はずっと緊張しているのですから、やはり同じ姿勢を長く続けることは疲れの原因になります。
ですから持続的な筋収縮をなくすためには、筋肉に力を入れたり、ゆるめたりすることが大切です。
たとえば坐った位置で、背筋を伸ばしてよい姿勢をとっているとします。
このときお腹もまっすぐ伸ばします。
そして、ときどき腹式深呼吸をするのです。
下腹に力を入れると、肩の余分な力が抜けます。
また、ときどきうんと胸をはって、深く息を吸い、そこで力を入れ、次いで息を吐き出しながら軽く背中を丸めるようにするとよいのです。
柔軟体操を実行しよう 緊張型頭痛の治療には柔軟体操が非常に大切
しかし、″頭痛に体操を″というと、何かしっくりしないと思う方がおられるかも知れません。
確かに頭痛は多くの病気で現われる症状であり、一般に病気といえば安静と考えるのが普通ですから、体操をすれば頭痛がよくなるというのはおかしく感じられるのかも知れません。
もちろん、どんな頭痛にも体操がよいといっているのではありません。
頭痛の中でも緊張型頭痛の治療に、柔軟体操は欠かせないものだといっているのです。
熱がある場合とか、頭蓋内にはっきりした病気がある場合は別です。
緊張型頭痛のときに、運動によって得られる治療効果
1 筋肉を一定の持続性緊張状態から解放し、弛緩と緊張のリズムを与えます。
2 筋肉の血液循環をよくします。
3 心臓、肺に適度の負荷を与え、その予備力を増します。
これによって筋肉の疲労状態が解消されることになります。
ところが、緊張型頭痛の患者さんの中には、体操をすすめると、「体操をしろとは何事か。
頭が痛く、体がだるく、何をするのも億劫だというのに。
先生は私の病気のことを少しもわかっていないのではないか」といわれる方があります。
とにかく体操どころではないのだと思いこんでおられる方も少なくないようです。
そのほかに、いろいろな反応がみられます。
「普通に病気といえば安静だと思っていましたが、頭痛には体操がいいのですか」
「肩がこって頭が重くなると自然に伸びをしたくなりますが、その程度の伸びをしていればよいのですか」
「体操というと、縄とびなんかすればよいのですか」
「ゴルフはいかがですか。
私はずうっと頭痛持ちだったのですが、ゴルフをやるようになってからしばらくの間は嘘のように頭痛がなくなったのです。
ところが最近は会議会議で忙しく、ゴルフに行くひまもなくなって、また頭痛がするのですが……」
「のんびり散歩する程度でもよいのでしょうか。私はあんまり跳んだりはねたりすることはできませんが……」
「体操ではないかも知れませんが、私は毎日忙しくて、一日中動きまわっています。
こんなに動いていれば体操はしなくてもよいのではないでしょうか」
「私はマラソソをやっています」
「三日に一度、剣道をやっています」
体操というと、号令に従って、いちに、いちに、と一定の順序で、力を入れて行なうものと想像されるかも知れません。
あるいは縄とび、マラソソ、剣道その他のスポーツのことを考えられるかも知れません。
とにかく体操というと戸外で激しく動いて汗をかくもの、というような印象を持っている方が多いようです。
なかには極端に、体操競技で行なうような鉄棒とかあん馬、床上体操などのことを考えてしまう方がおられるかも知ません。
しかし、ここで体操というのは、テレビ体操とか、ラジオ体操でもよいのですが、これらのように一定のやり方がきまったもののみを指すのではありません。
自分のそのときの条件にあった範囲内で自由に体を動かせば、それでもよいのです。
たとえば疲れて肩や首すじがこったとき、うんと伸びをしたくなることはありませんか。
実際に頭痛を訴える人の中には、疲れたときは自然に伸びをしたくなるという方が多いのです。
この伸びをするというのが、柔軟体操の一つに含まれるのです。
いつも猫背になっている人が背すじを伸ばし、うんとそりかえりながら、両手を上にあげ、深呼吸をするというのも基礎的な体操です。
首すじがこるために首をまわすのもそう
肩を持ち上げたり下ろしたりをくり返すのもよいし、肩をまわすのもよいのです。
力を入れたり抜いたり、すなわち緊張と弛緩のリズムを筋肉に与えることが大切です。
体全体を、大きく、ゆっくり、力を抜いて動かすこと、いわゆるブラブラ体操といってもよいのです。
仕事で忙しく体を動かしているのは、ここでいう体操にははいりません。
仕事をする場合には、体に力を入れて動いているのが普通だからです。
力を抜くことが大切
しかもこれらの体操を、体の調子によって、立ってやるばかりでなく、腰かけてやったり、ときには横になってやってもよいのです。
頭痛がひどかったり、体がだるかったりした場合には、立ち上がるのはもちろん坐っているのもつらいことがあるかも知れませんが、そんなときでもこの種の柔軟体操は横になってやれるし、やれば治療効果があるものなのです。
頭痛をなおす体操といっても、何もここにご紹介したものにこだわることはありません。
ラジオ体操でもテレビ体操でも、あるいはそのほかにいろいろ紹介されている腰痛体操、肩こり体操、疲れをとる体操など、どれでも結構ですから、できるものからとにかく実行してみてください。
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