超精密検査!吐き気がするレベルに酷い頭痛はこんな風に診察する!

まず、検査を受けるのなら神経内科か脳神経外科に行ってください。

そこで受ける検査の内容をご紹介します。

これらの検査を頼んで断られるような所や、脳波調べて「異常なし」ですませる病院には二度と行かないようにしましょう。

1 尿・血液などの一般検査

頭痛の患者さんに尿や血液の検査をして、いったい何がわかるのでしょう。

頭痛の中で最も数の多いいわゆる慢性頭痛、すなわち筋収縮性頭痛と片頭痛では、一般に尿や血液の検査をしても何ら異常を認めないのが普通です。

何も異常がないのなら検査をしなくてもよいのではないかといわれるかも知れません。

しかし、慢性頭痛を疑ったとき、ほかの原因がないことを確かめた上でそう診断するのが確実な手順なのです。

ですから、たとえば筋収縮性頭痛が疑われるとき、内臓に異常のあることを見落としてはいけないというので、貧血もなく、肝臓も腎臓も正常で、内臓に特に問題はないということを証明するために行なうのです。

高血圧があるときは、腎臓の状態をみるために尿や血液の検査をし、糖尿病があれば、動脈硬化が促進されると考えることもあります。

気管支炎、肺炎、胆のう炎、腎孟炎、あるいは髄膜炎、脳膿瘍など体のどこかの臓器に炎症があって熱がでる場合、全身性に炎症の徴候が出て、血沈の促進や白血球増加のみられることがあります。

また、体のどこかにガッがあって、脳に転移して頭痛を訴える場合に、血沈が促進したり、貧血があることがあります。

また脳出血のときにも血沈が促進することがあります。

このように、いろいろ言いだせば、何の病気のときにはこれこれの検査で異常がみられることがある、ということができますが、実際に頭痛の原因と直接結びつく検査成績というものは少なく、多くの場合は特に内臓の病気がないことを確認するために行なっているわけです。

しかし、これも決して無意味なことではありませんから、三か月以内に、または今度の症状が出てから、尿や血液の検査をうけていない人は、その検査をうけるつもりでいてほしいと思います。

2 髄液検査―-積極的な協力が必要

頭痛の原因が頭蓋内の病気、たとえば髄膜炎、クモ膜下出血、脳出血、脳腫瘍、脳膿瘍などの場合に、髄液の検査をするということは非常に大切で、特に髄膜炎を疑う場合は、髄液の検査なしでは全く診断ができないといっても過言ではありません。

もちろん頭痛のある人全員にやるのではありません。

頭蓋内に病気があるという疑いがかなり強い場合、髄液検査によって正しい診断がつかないと正しい治療ができないという場合に限られます。

しかも、髄液検査をしてはならない条件についてよく検討した上で行なうことになるのです。

髄液検査のことを腰椎穿刺(ルンバール)といいますが、一般には。

背中から水を取る″という言い方をしています。

腰椎穿刺を極度に嫌う人がおり、なかには針を刺される検査は何でもいやで、普通の人がよくやる静脈注射もいやだといい、まして背中から髄液をとるなんて、まっ平御免だという人がまれにいます。

こういう人は、自分の病気は何だか知らないが、正しい診断をつけることよりも痛くない方が重要だといっていることになります。

特に髄膜炎の場合、原因によって治療法が全く違いますから、髄膜炎という診断だけでは治療方針が立たず、病原体を明らかにする必要があるのです。

そのためには髄液の検査を厳密に行なう必要があります。

髄液検査のとき、べッドの端に側臥位をとるように命じられます。

そしてエビのように丸くなれとか、両手で脚をかかえるようにしろとか、自分のお腹を見るようなつもりで丸くなれといわれます。

これは、背骨の間から脊髄腔に針がはいりやすいような姿勢をとることなのです。

この姿勢が悪いと針がうまくはいりません。

一度でうまくいかないと、二度、三度と針のさし直しになりますから、かえって痛い目にあいます。

また、よい姿勢というのは丸くなるだけではないのです。

背中の面がべッドに垂直になるようにする必要があります。

そのためにもいろいろな指示が出ますから、いわれた通りに肩の位置をなおしたり、腰の位置をなおしたり、よくいうことをきいて、自分から積極的に協力するつもりでやってください。

医師の側も、原則的によい姿勢がとれるまでは針を刺さないことにしているのです。

さて、やっとよい姿勢がとれたと思って針を刺そうとすると、とたんにピクンと全身に力がはいり、せっかくエビのように丸くなっていたのが、逆にそり返るような姿勢をとってしまう人がいます。

誰でも針を刺されるのはいやなことです。

しかし、前にも述べたように、これをやらない限り正しい診断がつきません。

正しい治療法がわからない場合にやるのですから、何とか一度でうまく検査がすむように協力していただきたいものです。

うまく針がはいり、髄液が出たら、「楽にして下さい」といわれるはずです。

エピのように丸くなっているのを、今度は力を抜き、前にまげていた頭を静かにまっすぐにします。

頭を強く前にまげたり、いきんでいたりすると、それだけで髄液圧が高くなり、診断に影響するからです。

その後「はい、終わりました」といわれるまでは、静かに楽な一定の姿勢でいてほしいと思います。

髄液に関する検査項目は、㈹髄液圧、㈲外観、㈲細胞、㈲タンパク、㈲糖、㈲塩素、哨病原体、㈲その他、となります。

その中で、特に検査を受ける人に関係のあることを述べることにいたしましょう。

髄 液 圧

髄液圧の完進は頭痛の原因として重要であるのみならず、重篤な基礎疾患が存在することを示唆するという点でも重要です。

脳腫瘍、硬膜下血腫、クモ膜下出血、脳出血、髄膜炎、脳膿瘍などで髄液圧の充進がみられます。

ところが、こういうような病気がなくても、検査上髄液圧が高いように出る場合があるので注意しなければなりません。

前項で述べたように、腰椎穿刺をするときには背中を丸くするようにいわれますが、このときは首も前へ曲げ、体に力を入れていきんでいる人もいると思います。

しかし、このままの条件で髄液圧の測定をすると、本来の髄液圧より高く出てしまいます。

忘れずに首をまっすぐに伸ばし、体の力を抜き、いきまないようにしないといけません。

もちろんこれは医師の指示により行なうわけですが……。

穿刺針がきちんと脊髄腔にはいっているかどうかを確かめるために、おなかに力を入れていきませたり、セキをするように命じて、髄液圧の変化をみることがあります。

また、脊髄腔の通過がよいかどうかをみるのに、クェッケッステット試験というのがあります。

髄液圧の測定をしながら、頚静脈を手掌で圧迫するのです。

髄液圧が高いときは、この検査は普通行ないません。

もしこの検査をするとき、あらかじめ説明をきいていないと、首を圧迫され、一体どうされるのだろうと不安になる方もあると思いますが、心配はいりません。

また、ときに首を前へ曲げたり後ろへ曲げたりした位置で、頚静脈の圧迫

をすることもあります。

頚椎の異常が疑われるときにはよくこの検査をするので、指示があったら気楽に首を前や後ろへ曲げて下さい。

体に余分な力がはいると、検査がうまくいかないことがあるので、力まないことが肝要です。

外観

これは髄液がどんな色をしているか、また濁っているかどうかをみる検査です。

正常では水様透明ですが、クモ膜下出血、脳出血では髄液に血液が混じり、赤く見えます。

特にクモ膜下出血では血液と同じようにまっ赤に見えることがあり、脳出血では血液が混じっているという程度で、ピンク色という表現をされることもあります。

いずれにしろ、頭痛の原因としてクモ膜下出血や脳出血が疑われたときは、髄液検査で血液の混入が確認されたら出血ありと判断されるので重要な検査です。

ここで注意しなければならないのは、出血性の病気でなく、穿刺針を刺したとき、針が血管にはいったために血液が混入する場合があることです。

もちろん医師の技術の問題もありますが、患者さんが痛い痛いといって背中を逆にそらせてしまったり、変に動いて、一度できれいに髄液がとれないときに、血液の混入することがあります。

せっかくの検査ですから、一度でうまくいくように協力してほしいものです。

髄液が黄色(キサットクロミー)を示すのは、多くは出血があったことを意味します。

そのほか、夕ンパクがうんと増加している場合や、黄疸のある場合などにもみられます。

髄液が濁るのは、主として

細胞増加のためです。

細胞

細胞の増加は髄膜に病変があるときにみられます。

化膿性髄膜炎では炎症も激しく、細胞増加も著明で、どろどろ濁って見えることもあり、多形核白血球(好中球)が何千、何万と出てきます。

結核性髄膜炎や真菌性髄膜炎ではそんなにひどく濁ることはなく、一見透明のようですが、よく見ると、暗室に‘流れ込む光の中に浮動している微塵によく似た点のようなものが浮いているのが見えることがあります。

これは大部分がリンパ球のことが多いようです。

ウイルス性髄膜炎では細胞増加の程度は最も軽く、リンパ球が軽度増加を示すことが多いようです。

また胃ガンや肺ガンから髄膜に転移した場合に細胞増加がみられますが、これは白血球やリンパ球でなくガン細胞です。

検査項目が多ければ多いほど、それだけ髄液の量も必要です。

たとえば病原体の検査をするにしても、化膿菌、結核菌、真菌の培養をしようとすれば、それぞれ別々ですし、梅毒反応を調べたり、ウイルスの検査をしたり、ときにタンパク分画の検査をしようとすると、さらに多量の髄液が必要になります。

一度に多量の髄液を抜くと、髄腔内の髄液量が急に減少し、髄液圧に変化がきて、牽引性頭痛を起こす可能性がありますから、頭痛を起こさないように、次の項目をよく読んでください。

腰椎穿刺後頭痛

腰椎穿刺をして髄液を採取した後に起こる頭痛は、十分に予防できる種類のものなのです。

それにはなるべく細い穿刺針を用いることです。

実際にこれが使われるようになってから、頭痛の起こる割合はうんと減りました。

細い針を用いると頭痛が起こりにくい理由は、検査終了後に針の通った経路を伝って髄液が漏洩することがなくなり、髄液圧の低下が防げるからです。

次に大切なことは、医師があらかじめ指示すると思いますが、検査終了後は静かにベッドに横臥していることです。

検査後、最低三~四時間は横臥の姿勢をとっているとよいのです。

そのためには、たとえば検査の前にお手洗いに行き、検査終了後すぐに起きて行かなくてもよいように注意することも大切です。

慎重にするならば、二十四時間以内は、起きる必要のない限り横になっているのがよいのです。

最近はこれらの注意が普及してきているので、以前のように腰椎穿刺後の頭痛をあまりみなくなりましたが、もし不幸にして頭痛が起きた場合には横になっていれば楽になるはずですし、必要があれば点滴をします。

普通はこれでたいていよくなるはずですが、検査をしてから二日も三日も頭痛が続き、しかも横臥していても頭痛が続くという場合があります。

これも確かに腰椎穿刺後に起こった頭痛には間違いありませんが、髄液圧の低下による牽引性頭痛とは考えにくいものです。

これは多分、検査をするということの精神的負担、検査時の姿勢の影響、検査結果に対する不安など、いろいろな条件が重なったための筋収縮性頭痛と考えられる場合が多いようです。

3 脳波

頭痛の原因検索に際して、脳波は有用ではありますが、万能ではありません。

たとえば、「頭痛と吐き気がある↓脳腫瘍ではないだろうか↓脳腫瘍があれば脳波でわかるだろう↓だから頭痛のあるときには脳波の検査をうけるのがよい」と単純に考えて、頭痛があるから脳波の検査をしてほしいという人がいます。

なかにはそんなに深く考えないで、脳波により脳の病気なら何でもわかるだろうから検査をしてほしいという人もいます。

また逆に、「脳波の検査をして、脳に悪い病気のないことを証明しておきましょう」というと、「でも、脳波の検査をすると脳の働きがみんなわかってしまうんじやないんですか。

もし、今何を考えているのかを知られたら、困ってしまうこともありますね」と脳波検査を躊躇する人もいます。

もちろん、人が何を考えているか、その内容が脳波検査でわかるなどということは全くありません。

頭痛の患者さんに脳波検査を外来で行なうのは、多くの場合、念のために脳腫瘍や脳膿瘍、硬膜下血腫など頭蓋内の病気がないことを証明しておきたいと思う場合です。

筋収縮性頭痛の人は、ちょっとしたことも気にしやすい傾向があり、脳波検査をするということでもほかの人より神経を使うので、筋肉の異常緊張が顕著になり、そのために脳波の記録に筋電図が混じることがあるのです。

このような人は、検査中に体の力を抜いてくださいと注意されることがあると思います。

ところが、力を抜こうと思ってもかえって力がはいってしまい、自由に力を抜くことができないで困るようなことも少なくないと思います。

もし、体の力を自由に抜くことができるようになれば、その人にとって、筋収縮性頭痛の治療は比較的容易なことになるわけですが、そのことは次章でくわしく述べることにいたします。

片頭痛の人の場合、脳腫瘍のような病気が何もなくても、多少異常脳波を示すことがありますが、そのつもりで脳波検査にて経過をみる必要があります。

また目を閉じてじ1つとして脳波検査をうけていると、うつらうつらと眠気を催すことがあると思います。

余分な力を抜いていれば、日頃の疲れがどっと出て、眠ってしまう人もいるかも知れません。

そうしますと、睡眠脳波といって、覚醒しているときの脳波とは違うパターンの波が現われます。

脳波の記録の途中に検査技師が手を叩いて目を覚まさせると、とたんに睡眠脳波から覚醒脳波に移行するのが記録されることがありますが、こんなときは睡眠脳波であることがすぐわかり、問題はありません。

また、睡眠脳波が典型的に出れば、普通はパターンを見て大体わかるものですが、もし睡眠脳波と断定できず、しかも本人も眠らないというのに徐波が出ていると、実際にはフワー″と眠気がさしたのか、あるいは異常脳波と判定してよいのかはっきりしないことがあります。

こんな場合は、経過をみましょうといわれることがあるかも知れません。

よく頭痛を訴えていた人があまり訴えなくなった場合、それは頭痛がなくなったのではなく、軽い意識障害のために訴えなくなったということもあります。

こんなときには脳波検査が有効です。

意識障害があるかないかを明瞭に区別するのに脳波は有力な検査法なのです。

意識障害がなくても、脳腫瘍、脳膿瘍あるいは脳出血が大脳半球の右か左のどちら側かにある場合、脳波では右か左に異常がはっきり出ることがあり、こういう場合にも脳波は有力な検査法です。

しかし、異常の本体が腫瘍か膿瘍か血腫か、その内容を明らかにするのにはほかの検査法も併用する必要があります。

4 レントゲン検査

「頭痛がとてもひどいのです。頭の中に何かできたのではないでしょうか? レントゲンを撮って調べてほしいのですが……」という患者さんはそれほど多いものではありませんが、それほどまれというものでもありません。

ときどき頭のレントゲン写真の検査を要求されることがあります。

では、頭のレントゲン写真で何がわかるかというと、胸部のレントゲン写真のようにいろいろなことがわかるというわけにはいかないのです。

なぜなら、頭は硬い骨で囲まれており、そのために写真には骨の状態が濃く写し出され、脳の状態はほとんど何もわからないといってもよいのです。

しかし、松果体に石灰化があればそれが写り、正常の位置にあればまず脳のほかの部位にも異常はあるまいと推定するにすぎません。

もし脳腫瘍があってそこに石灰沈着が起これば、単純写真でも脳腫瘍を推定することができます。

また骨に影響を与えるような病気、たとえば下垂体腫瘍でトルコ鞍の風船状拡大、あるいは髄膜腫で腫瘍の接する部の骨肥厚などは診断的意義があります。

さらに頭蓋骨の単純写真が有用なのは、頭部外傷による骨折線の判定の場合と思われます。

頭痛のための検査では、頭蓋骨と同様、頚椎(背骨の首の部分)のレントゲン検査も多く行ないます。

筋収縮性頭痛では、尿、血液の検査、頭蓋骨のレントゲン検査、どれを行なっても、何も異常のないのが普通です。

しかし頚椎のレントゲン検査をすれば、なんらかの異常が見つかることが多いのです。

特に首すじがはると訴える人では、首の筋肉の異常緊張があり、それが頚椎に影響します。

正常では頚椎はなめらかな前弩(前方に突出すること、写真左側)を示しますが、首の筋肉の異常緊張により前鸞が消失してまっすぐになり(写真右側)、ひどい人では後鸞を示すようにさえなります。

年とった人で、肩や首すじから上腕にかけて、痛かったりしびれたりすると、肩頚腕症候群といわれます。

こういう人に頚椎のレントゲン検査をすると、頚椎の前弩が消失し、椎体の変形がみられ、.変形性脊椎症とか頚部脊椎症という診断がつけられます。

頚部脊椎症のレットゲッ所見は、筋収縮性頭痛でみられる所見とほとんど変わりがないのです。

変形性脊椎症は年齢的変化によるものですが、筋収縮性頭痛における頚椎前弩の消失は、十歳代の若い人たちにもみられる所見です。

若い人では首すじに異常緊張があって頚椎の弩曲に異常が現われても、筋肉をゆるめることによって正常に戻すことができるのですが、年齢とともに元に戻らなくなり、変形性脊椎症とよばれる状態になるのでしょう。

こうみてくると、若いときから筋収縮性頭痛があり、頚椎のレントゲンで異常のある人は、比較的早い時期から頚部脊椎症になる可能性があります。

頚部脊椎症では、頭痛、肩こり、腕や手のしびれのほかに、変形した頚椎が首を動かしたとき椎骨動脈を圧迫して一時的な脳循環不全をきたし、めまいを起こすことがあります。

脳血管写

脳血管写の検査をするということは、かなり強く頭蓋内に病変のあることが疑われた場合です。

しかも脳腫瘍、硬膜下血腫、脳膿瘍、あるいはクモ膜下出血の原因となった動脈瘤があって、できれば手術によって治療が可能なときに、積極的に検査が進められます。

一口に脳血管写といいますが、これには左右の上腕動脈写と頚動脈写とがあります。

脳を朧流している動脈は、頚動脈系と椎骨脳底動脈系の二つの系統計四本の血管からなり、右上腕動脈写により、右頚動脈と右椎骨動脈が同時に描出されます。

右の頚動脈系だけをはっきり写したいときは、右頚動脈写が行なわれます。

左側は右側と異なり、左上腕動脈写により左椎骨動脈系が、左頚動脈写で左頚動脈系が描出されます。

従来、頭蓋内の腫瘍、膿瘍、血腫の証明にはどうしても脳血管写が必要でしたが、最近はCTスキャンの出現により、検査のための副作用がなく安全に、しかもより確実な検査結果が得られるようになったので、診断のための検査ということだけを考えれば、脳血管写の有用性は以前より少なくなったと思います。

しかし、手術的治療の心要があると考えられたときには、手術的アプローチの方法をきめるために脳血管写が必要になります。

CTスキャン

CTスキャンというのはCATといわれることもあります。

いずれにしろコンピュータ断層撮影という意味であり、ごく最近登場してきた新しいレントゲン検査器機で、医学界の進歩として大評判になっているものです。

この検査を行なえば、脳腫瘍も脳膿瘍も脳出血も、頭蓋内の病変であればほとんどすべて、どこに、どの位の大きさのものが存在しているか診断できるようになりました。

昔は脳出血か脳血栓かの鑑別診断を確実に行なうことはなかなかむずかしく、経験豊かな名医が脳出血と診断すれば、そう決まるということも少なくありませんでしたが、CTスキャンの検査をすれば誰にも一目瞭然、出血ははっきり出血として描出されるので診断が容易です。

また、脳出血かクモ膜下出血かの鑑別診断にも威力を発揮しています。

たとえば従来の臨床診断では、頭痛、吐き気、嘔吐のみで、半身不随がなければクモ膜下出血、半身不随を伴えば脳出血と大ざっぱに分けていました。

しかし、脳出血でも、出血した場所によっては半身不随がこない場合があることが明らかになったのです、これにより、CTスキャン出現以前の脳出血の部位別による分類が修正される必要が出てきたほどです。

話が頭痛から多少それますが、日本には脳出血と脳血栓とどちらが多いかということが、昭和三十年頃から問題視されてきました。

昭和三十年頃の死亡診断書をもとにした統計では、日本では圧倒的に脳出血が多かったのです。

ところが、アメリカをはじめヨーロで(の先進国では一般に脳血栓の方が多いので、日本ではどうして脳出血が多いのか問題になりました。

突然倒れて間もなく死亡すれば何でも脳卒中というわけですが、当時はこれを脳溢血という習慣があり、死亡診断書に脳溢血と書かれたのではないかといり見方がありました。

脳卒中というのは、脳出血も脳血栓もみな含んだ病名ですが、これをすべて脳溢血という習慣があり、しかもこれを脳出血と理解したのでは、脳出血が多いのは当然のことです。

一方、脳軟化という病名がありますが、これは脳血栓と脳塞栓の両方を総称した病名で、脳出血とは区別されるものです。

死亡診断書では本当の病気の実態はわからないからということで、その後、病理解剖の診断名を調査したり、さらに臨床症状や髄液所見、脳血管写をもとにして統計をとったりして、最近では脳出血と脳血栓との比はほぼ一対一の割合に近くなってきましたが、診断の正確度に今ひとつ問題がありました。

そこへCTスキャンの登場となり、脳出血があればたちどころに出血像を描き出すことができるようになって、臨床診断の正確度がうんと高まったわけです。

やがて、CTスキャンによる正確な診断によって、脳出血と脳血栓との正確な比率が出されることと思います。

話をまた元に戻して、CTスキャンの頭痛に関する診断について述べましょう。

筋収縮性頭痛は、数年または十数年という長期にわたる慢性反復性頭痛を呈しているという病歴があり、神経学的検査では異常がなく、首すじや肩、背中の筋肉の硬結、圧痛を認め、尿や血液の検査でも異常はなく、異常といえば、頚推のレントゲン写真で多少の異常が見つかる程度のものがあるということで従来は診断していました。

もしこれだけではっきりしない場合には、CTスキャンで頭蓋内の器質的病変を否定すれば確実なものになります。

CTスキャンはこのように、異常所見がないということでも、診断上の意味があるのです。

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